管理栄養士が病棟スタッフの一員になるための戦略的きっかけ作り:厨房・事務所から病棟へ
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Nutripreneur Blogを運営するアラフィフ管理栄養士のアラフィンです。
ご訪問ありがとうございます。
この記事を読むことで、
「病棟に行きたいけれどきっかけがない。」
「厨房や献立などの給食管理業務ばかりで病棟とのつながりがない。」
といった悩みの解決に、わたしの経験が役に立つかもしれません。
昔話ではありますが、病棟業務をしたいけれど、何からはじめればよいのかわからないといった方へのヒントになると思います。
最後までお読みいただけますと幸いです。
約30年前の管理栄養士業務
今でこそ、病院管理栄養士が病棟で仕事をすることは見慣れた光景になりました。
でも、わたしが病院で働きだした約30年前の管理栄養士の仕事の大半は調理や献立でした。
そのような時代において、わたしが病院管理栄養士として最初に与えられた業務は、朝から夕方まで厨房業務でした。
時代的には自然の流れでだったかもしれません。
当時の調理師長から、「特別食は管理栄養士がつくるものだ!」という教えを受けていた化石のような時代ですから。
厨房から病棟へ:クレーム処理をきっかけに
ある日、いつものように厨房業務をしていたところ、透析食を召し上がっている患者さんから栄養科にクレームが入りました。
「かき揚げが多すぎる。かき揚げはもう食べたくない」という患者さんの主訴です。
わたしは、先輩栄養士が立てた献立のかき揚げを、献立通りに調理して提供しただけですので、文句をいわれる筋合いはありません。
だから、このクレームは、献立を担当した先輩栄養士マターでした。
でも、その先輩栄養士は、看護師に電話口でお詫びするだけで、根本的な解決をしようという意思がみられませんでした。
なんだかその光景が、「変だなあ~」と、わたしは感じたのです。
そこで、わたしは、このクレーム処理をあえてかってでたのです。
「よかったら、私が病棟に行って、患者さんにお詫びかたがたお話を伺ってきましょうか?」
その時は、別に病棟に行きたいからなどの下心は露程もありませんでした。
ただ純粋に、透析患者さんに少しでも美味しい食事を出すためにはどうすればいいのだろうか?
という課題を解決したからだったように記憶しています。
クレーム処理から栄養指導、そして病棟スタッフの一員に
病棟に管理栄養士が出入りすることなど皆無だった時代でしたが、上司の許可を経てこの透析患者さんのベッドサイドに訪問しました。
そして、ひたすら患者さんのクレームを傾聴、傾聴、そして傾聴。
その後、病棟の看護師長に、患者さんのクレームについて傾聴したこと、栄養科スタッフに事案を共有することなどを報告しました。
すると、看護師長は「カルテにその内容を記録しておいてくださいね」といわれたのです。
カルテなんて開いたこともなければ触ったこともないわたしに、記録をせよというのです。
今となっては、どのように書いたのか、うまく書けたのかなどは全く記憶にありませんが、無我夢中だったことだけ覚えています。
でも、この出来事は大きな転機になりました。
次からは、この看護師長や患者さんからわたしにご指名がかかるようになったのです。
「食事のクレームがでたから、”あの管理栄養士さん”を呼んで」みたいな。
ところが、しばらくすると、私の呼び名が、”あの管理栄養士さん” が ”アラフィンさん” と名前になってきたのです。
これは、わたしアラフィンが病棟スタッフから認知されたという瞬間であり、喜びは大きかったと記憶しています。
そんなクレーム処理が続いたある日(この病院はどんだけ食事の苦情が多いのかって感じですが)、看護師長から信じられない言葉をいただきました。
「この病棟の栄養指導をあなたに頼みたい。」
一瞬、わが耳を疑いました。
わたし、管理栄養士1年目のペーペーですよ。
でも嬉しかったですね~
看護師長からの貴重なご依頼ですから、栄養科のわたしの上司も無視できません。
こうして、厨房業務をしながら、1日の5~10%を患者さんのベッドサイドで栄養指導をするようになりました。
最終的には、忘年会などの飲み会にもお声かけいただくようになり、病棟スタッフの一員になりました。
まとめ
最初はクレーム処理でも、残食調査でも、嗜好調査でも、何でもいいのです。
病棟に足を運び、患者さんの発言に傾聴、医師や看護師長などの関係職種と報告を含めてコミュニケーション。
このようなことを繰り返していると、それはあなたの習慣になります。
あなたが病棟に出入りする習慣は、やがて病棟にとっては日常になります。
日常化すると、次になんらかの転機が訪れます。
その転機をしっかりキャッチできるようにしましょう。
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