【現役教員生情報】給食委託会社の7つの魅力とお勧め栄養士就職先2社

ひと昔前、委託給食というと、3Kに分類されていた記憶があります。

でも、いま、委託給食が熱いです。

自分の目標と、給食委託会社の仕事内容がマッチすれば、そして就職する会社をきちんと選べば、就職先の良い選択肢になります。

でも、複数の委託会社から内定をもらって、どこに行くか迷ったり、病院への就職にも興味があったり、悩みますよね。

また、転職先として給食委託会社を選択肢に考えている方は、しっかりメリットとデメリットを知っておきたいですよね。

そんなあなたへ。

この記事では、大学に勤める現役教員が、卒業生から聞く生情報や評判、そして自身が見聞きしてきた経験則を基に、管理栄養士・栄養士として給食委託会社に就職することのメリットとデメリットを中心に紹介したいと思います。

プロフィール

なまえ:アラフィフ管理栄養士のアラフィン

職 歴:管理栄養士として病院で調理全般 → 病院で献立全般 → 病院で栄養管理全般 → 大学で研究・教育 → 現在、大学で研究・教育+副業(起業の練習)→2030年に起業を本格始動(未来)です。

学 位:博士

以前、委託給食会社に就職しようか迷っている学生や卒業生がいたら、「もったいないからやめたほうがいいよ」と言っていました(当時の委託にお勤めの方々には申し訳ありませんでした)。

でも、今は、「自分の給食の専門性を活かすことに集中する」「給食のプロになる」という決断であれば、良い選択だと思うようになりました。

実際に、優秀な学生の中で、委託給食を第1希望としている人は少なくありませんが、最近は、逆に学生の背中をおすようになりました。

なぜ、このように、まったく考えが逆になったかというと、それは委託給食会社の現場で働いている卒業生の生の声が、あきらかに良い方向へ変わってきたからです。

私自身、病院管理委栄養士として勤めていた時、優秀な委託スタッフと仕事をしてきた経験があります。

今でも、忘れられない優秀な方々でした(20年会っていいませんが、顔も名前も覚えています)。

私の面倒で手がかかる献立に、いつも全力で向き合ってくれたり、逆にアドバイスをくれたり。

投書の山だった給食が、お礼の手紙の山に変わりました。

委託給食スタッフのおかげで、直営給食のときよりも食事が美味しくなったのです。

給食委託会社(委託給食会社)とは何か?その重要性とは?

正式には「給食受託会社」というそうですが、私たちが一般に使用する言葉としては「委託会社」、「委託」という呼称のほうが馴染みがありますね。

さて、その給食委託会社とは、医療機関や介護福祉施設、保育園、学校、企業などの給食に関する業務を、一手に引き受ける会社です。

昔、病院には古参の調理師さんがいたり、学校にはいわゆる給食のおばちゃんがいることのほうが圧倒的に多かった時代がありました。

それぞれの施設が、調理師や調理員を直接雇用していたわけですね(これを直営給食といいます)。

でも、時代は移り変わり、専門の会社に外部委託したほうが、給食にかかるコスト(主に人件費)を、抑えられることがわかってきました。

そして、いまや多くの施設の給食業務は、委託会社が担っています。

具体的に、給食業務とは、管理栄養士や栄養士、調理師などを、各施設に派遣して、献立の作成から食材の発注、調理、配膳、片付けまでで、どこまで請け負うのかは各施設における契約によって変わります。

現在、給食委託会社なしには、給食は成立しないところまできているように感じます。

そういう意味では、給食委託会社は、管理栄養士・栄養士の業界において、かなり重要な位置を占めています。

給食委託会社とミッションと仕事内容

給食委託会社の、給食提供に関するミッションは、「対象者に安心・安全な美味しい食事を提供する」です(会社によって細かい言い回しは異なると思いますが)。

これを軸に、病院であれば多様な食種の精度管理、介護福祉施設であれば嚥下訓練食やソフト食などの介護食、学校や保育園などの子どもを対象とした施設であれば、食物アレルギーやおやつ、離乳食などのサービスを展開します。

具体的な仕事内容は、献立作成、調理業務(盛り付け、配膳を含む)、食材の発注、在庫管理、衛生管理、食器洗浄、衛生管理、給食にかかる事務作業などがあります。

仕事内容は、施設との契約内容によって変わります。

たとえば、施設が献立までは直営の管理栄養士・栄養士が行うので、発注以降の給食業務を担うといった感じです。

給食委託会社で働く5つのメリットと魅力

給食委託会社は、管理栄養士・栄養士として、給食のプロを目指す一方で、ライフワークバランスを重視したい方、あるいは経験が浅い人や、将来的に臨床栄養で活躍したい人にとって有用な職場といえます。

1)給食(大量調理)・衛生管理のプロになれる

給食委託会社の管理栄養士・栄養士の主要な業務は、調理現場の給食業務、衛生管理業務が

です。

このため、配属される施設にもよりますが、調理スキルを磨けます。

また、日々の調理に携わることで、様々な食材を知ることができますし、食材の季節、良い献立例(悪い献立例もですが)について理解が深まります。

さらに、これらの大量調理における給食や調理に携わることで身に着けたスキルは、献立作成にも活かされます。

経験が少ない管理栄養士・栄養士が、献立をうまく立てられないのは、そもそも調理が苦手である上に、食材の知識が少ない、季節の食材を知らない、作業効率を理解していないなど、一連の現場作業を知らないからなのです。

献立・調理の先には、それを召し上がる対象者の方がいます。

ということは、献立・調理を知っていたほうが、対象者に対して臨床栄養管理ができるのです。

いずれにしても、調理を含む現場の業務を一から学べ、給食(大量調理)・衛生管理のプロになれることは、管理栄養士・栄養士にとってかけがえのないスキルになります。

2)給料・ボーナスが比較的よい

今も昔も、病院栄養士は、管理栄養士を目指す学生にとって憧れの就職先です。

しかし、今も昔も、一部の病院を除き、残念ながら給料が安い。

一方、多くの委託給食は、病院に比較してはるかに高待遇で栄養士・管理栄養士を迎えてくれます。

きちんと管理栄養士手当がつくというところも、管理栄養士を大切にしてくれている証拠です。

私の教え子が勤めるホワイトな給食委託会社は、1年毎に上がる給与上昇率も高いですし、ボーナスもかなりよいとのことでした。

3)ライフワークバランスを重視できる

これは、給食委託会社や配属先によって異なってきますが、病院などに比較して圧倒的にライフワークバランスを重視できます。

まずは、基本的に完全交代制ですし、残業も少ないし、残業があったとしてもきちんと給与に反映されます。

配属先によっては、朝食の担当で、早朝から仕事をすることもありますが、午後からオフですので、うまくスケジュールを管理すれば自由な時間が多いといえます。

栄養士の方で、管理栄養士免許を取得したい人にとっても、有用な職場となります。

勉強の時間を確保しやすいですし、受験科目の給食経営管理や臨床栄養学などは、実際に仕事として携わっていますので、圧倒的に理解が深まることでしょう。

短期大学卒、専門学校卒の方で、栄養士の経験年数が必要な場合の職場としても最適でしょう。

また、結婚をした後も続けやすい特徴があります。

実際に、私の教え子においても、結婚または出産後も、長期休暇を経て、仕事を続けることができています。

子どもや家族が体調を崩して仕事を休まないといけない時も、他の事業所から応援を呼ぶなどの対応をしてくれることが多いです。

つまり、仕事と家庭の両立をしやすいような環境整備がなされている会社が多いのです。

このように、給食委託会社の待遇は、給与体系だけでなく、プライベートな部分に至るまで、かなり改善してきており、ライフワークバランスを重視したい人には、大きな魅力になります。

4)比較的若い年齢で出世できる

前項でライフワークバランスを重視できると書きましたが、それでも臨床栄養に挑戦するために病院へ転職したり、栄養士の職自体を辞めて一般職に転職する人の数が少なくありません。

これは、裏を返すと、ライバルが勝手に少なくなっていくことを示しています。

自分が、「自分の給食の専門性を活かすことに集中する」「給食のプロになる」ことを貫いていれば、(会社によりますが5年くらいでしょうか)会社からの信頼を勝ち取ることができ、比較的若い年齢で責任者やマネージャーに抜擢されるチャンスが大きいです。

抜擢されると、責任は増えますが、給与はさらに良くなりますし、何よりも現場を自分が仕切り、美味しい給食を提供するというやりがいがでてきます。

実際に、私の教え子も20台後半ですが、責任者に抜擢され、給与もかなり増加したと言っていました。

5)教育制度、研修制度、マニュアルがしっかりしている

給食委託会社では、経験年数やポジション別に教育制度や研修制度があります。

定期的に、社内横断で、異なる施設や部署で働いている栄養士・管理栄養士が一同に介し(コロナ禍ではZoomだったそうですが)、教育・研修が実施されます。

研修内容は、経験年数やポジションによって異なるそうですが、仕事との向き合い方や、上手なコミュニケーションのとりかた、メンタルヘルス、ハラスメント対策など、仕事内容から個人の健康や仕事環境などにも至るそうです。

このような機会では、同年代の仕事仲間と出会えるチャンスでもあります。

また、未経験でも働きやすいように、先輩や同僚に尋ねやすい環境もありますし、施設別にマニュアルも準備されていることが多いです。

私の教え子も、この研修を通して仕事に前向きに取り組めと言っていました。

6)給食のスキルは転職にも有利

現場をしっている栄養士・管理栄養士は、転職する際の大きなスキルになります。

一般的に、病院での管理栄養士募集は、競争があります。

でも、新卒の方に比較して、委託での経験があるというのはかなりのストロングポイントになります。

病院や福祉施設など、臨床栄養現場においても、給食現場の経験があることは、スタッフからの信頼が得られやすい傾向にあります。

7)出戻りも歓迎してくれる

私の教え子で、委託会社に勤めた後、目標であった病院に就職したものの、うまくいかなかった卒業生がいます。

その折、元々勤めていた委託会社は、彼女を好待遇で迎えてくれました。

つまり、外部で違った経験を積んで、そしてまた元サヤに戻るということも可能であるということです。

要は、給食委託会社で培った知識やスキルというのは、一生ものですので、どこにいってもニーズが高いということですね。

給食委託会社で働く3つのデメリット

メリットがあればデメリットもありますので、紹介しておきましょう。

1)現場作業が主体で体力が必要

給食委託会社では、管理栄養士であっても調理や盛りつけ、配膳などの作業が業務の中心です。

だから、夏は暑いし、冬は寒い。

立ちっぱなしだから、本当に体力勝負です。

しかし、メリットとデメリットは表裏一体。

この給食業務・大量調理があるから、対象者は安心・安全かつ美味しい食事を食べることができるという誇りを持つことが大切です。

それが、給食のプロになるということなのです。

さらに、この経験は、献立作成や発注業務、さらには臨床栄養管理にもつながりますので、管理栄養士・栄養士のスキルアップに貢献することでしょう。

慣れてしまって、変化のある仕事をしたくなったら、なにも悩む必要はなく、転職すればよいのです。

2)シフト勤務:早番と遅番、土日出勤

給食業務は、朝食から夕食までの幅広い時間帯で行われます。

そのため、シフト勤務になることが一般的です。

土日出勤で、友人とのスケジュールが合わないこともでてくるかもしれません。

でも、事前に休みの希望を聞いてくれることが一般的ですし、有給休暇もあります。

早番の日は、午後がオフですし、土日は平日より一般的にヒマですのでユルリと仕事ができます。

平日の休みは、どこにいっても休日よりすいていますので、快適に過ごせます。

さらに、シフト勤務といっても、看護師のように夜勤があるわけではありません。

せいぜい、朝は5時、夜は19~20時くらいといったところでしょう。

休日の日数は確保されていますので、シフト勤務も考え方次第で悪くありません。

3)直営管理栄養士・栄養士との上下関係

そもそも、直営も委託も、安心・安全に美味しい食事を対象者に提供し、喜んでもらうというミッションは共通です。

ところが、ときどき直営の管理栄養士の中で、勘違いしている人がいます。

「直営管理栄養士は、委託栄養士よりも偉い」という類の大きな勘違いです。

具体的には、命令口調だったり、意地悪してきたり。。。

こういう人と出会ってしまったとき、表面上は適当につくろって、必要でないときには徹底的に距離をとりましょう。

それでも、精神衛生的に悪い場合は、会社に相談して、異動させてもらうなど適切な対応をお願いしましょう。

要は、対策をとれるようにしておくことで、このようなリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

管理栄養士・栄養士の就職先として ”個人的に” おすすめする2つの給食委託会社

委託給食会社は、様々な配属先があり、そこには様々なルールや、様々な人との出会いがあります。

また、地域差があるかもしれません

ですから、一概に、給食委託会社の良し悪しは判断できません。

しかし、長年、教員をやっていると、卒業生が満足して実際に長年勤務をしていたり、待遇がよかったり、あるいは直接的に生情報を聞く機会があります。

というわけで、あくまでも個人の見解です。

1つめはLEOC

2つめはエームサービス

です。

これらの会社は、給与体系、人材教育の観点において、就職先の選択肢として良い印象をもっています。

もちろん地域制、配属先によっても異なりますので、異なる意見もあることは承知しています。

一方、残念ながら、以前のままのダメな委託給食は今もなお残っているのは事実です。

あえて会社名は伏せますが、そういう会社は面接や内々定の対応からおかしいので、しっかり見極めましょう。

給食委託会社が向いている人と向いていない人の5つのポイント

この記事では、給食委託会社のメリットとデメリットについて述べてきましたが、人には向き不向きがあることも忘れてはいけません。

というわけで、向いている人の特徴についてまとめてみました。

向いている人の特徴は;

①調理が好き、得意(になりたい)

②給食管理・衛生管理の勉強をしたい

③美味しい給食を提供することに喜びや誇りを感じる

④仕事よりもプライベートを充実させたい

⑤安定して長く勤め、それなりの給料をもらいたい

向いていない人の特徴は、この逆ですね。

まとめ

この記事では、給食委託会社のメリットとデメリット、個人的におすすめの会社について紹介しました。

自分の専門性を給食管理に捧げるというマインドがもてる人にとって、給食委託会社は良い仕事場になります。

要は、契約の仕方、委託給食スタッフの質

委託給食会社にとって、管理栄養士・栄養士は宝です。

自分をきちんと評価してくれて大切に扱ってくれる給食委託会社に就職しましょう。


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