【現役教員の生情報】栄養士を辞めたいと思う5つの理由と9つの事例
栄養士・管理栄養士として働く毎日。
夢と現実は違ったなあ、、、と時々考えたりすることはありませんか?
他の職場に転職しようか、それとも思い切って、栄養とはまったく別の仕事に転職しようかなど、考えたりしますよね。
そのお気持ちわかります。
私も教員という職業柄、働き始めたばかりの卒業生や、キャリアを数年積んだ卒業生から、そのような相談をうけることがあるから。
管理栄養士として、もっともっと充実した毎日を送りたいと思いますよね。
そんなあなたへ。
今の仕事をなぜ辞めたいと思っているのか、身体的・精神的につらい時の対処法、次のステップへの進み方について考えていきましょう。
この記事が、これからのキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。
すでに仕事を辞めると決断している方はコチラ↓
栄養士・管理栄養士を辞めたいと思う5つの理由と9つの事例
①仕事内容が想像と違う
よく聞く代表的な4つの事例を紹介しますね。
まず調理技術を磨きたいと思って、委託給食会社に入社したAさん。
現実は、包丁を持つ機会が思ったより少なく、食事の確認、食札づくり、発注、納品などの単純事務作業に追われる毎日だったそう。
栄養指導や栄養管理をしたいと思って病院に就職したBさん。
職場の方針で1年目は現場での調理業務、2年目から栄養指導と思いきや、実際は献立業務で追われる毎日。
管理栄養士の資格を活かして会社に貢献したいと食品企業に入社したCさん。
3年たっても、管理栄養士の資格を活かす機会がほとんどない毎日。
歯科が管理栄養士の募集をしていて、摂食・嚥下などを専門にしたいと入職したDさん。
実際の仕事は、歯科助手と受付の日々。
どうでしょうか?
まったく同じということはないでしょうが、似たようなケースがあるのではないでしょうか。
リーダーがしっかりした職場では、1年目は〇〇〇を覚える、2年目は〇〇〇を覚える、3年目は・・・という具合に
教育プログラムが見える化されています。
たとえば、1年目は調理業務と給食管理業務を覚える、2年目の1~6か月は先輩管理栄養士について栄養指導を学ぶ、
など近い将来が見えているとどうでしょうか。
将来に期待を持てるだけでなく、各年度で自分は相応のレベルに達したかどうかという振り返りもできるはずです。
これがスキルアップにつながります。
一方、この先、今の仕事がいつまで続くかわからない、もしかすると3年たっても同じことを続けているかもしれないと落ち込んでしまいそうな場合は、辞めるという決断を考えてもよいと思います。
②仕事内容が想像よりも大変で忙しい
衛生管理のプロになると夢をもって委託給食会社に入社したDさん。
入社して8か月目、私のところに相談に来たDさんは、顔をあわせるなり涙が止まらなくなりました。
入社して半年も経たない未熟な状態で、委託で入っている病院の責任者に任じられ、残業の毎日。
体重が数か月で5 kgも落ちてしまったとのことでした。
当然、私は彼女に転職をすすめました。
その後、別の委託会社に転職して元気に活躍しました。
基本的に、どんな仕事も忙しいということに変わりはありません。
ただ、今の仕事が楽しい、面白いと感じている場合は、大変で忙しくても苦にならないものです。
逆に、今の仕事が楽しくない、面白くないと感じらる場合は、想像よりも大変で忙しいという負の感情が巻き起こるのです。
要は、今の仕事にやりがいを持ることができれば、忙しいという感情はコントロールできます。
でも、どうやっても今の仕事に魅力を感じず、ただただ忙しく、毎日ボロボロになるまで働いているのであれば、辞めるという決断を選択してもよいと思います。
③人間関係でメンタルがつらい
大学院を修了して、病院に就職したEさん。
1年目は、メンターの先輩管理栄養士に指導をいただきながら、病棟の栄養管理を担当。
でも、このメンターの先輩がとっても意地悪な人で、
「はあ?そんなこともわからないの?」「今までの新人の中で、一番仕事が遅いよ」
など、心無い言葉をあびせられることもしばしばだったそう。
私のところに相談に来たときは、話をし始めたと思ったら、涙、涙、涙。
でも、Eさんは、仕事自体にはやりがいを持っていました。
だから、私は、メンターの先輩の言葉にいちいち反応せず受け流すようにしてみよう、それがうまくいかない場合はメンタルを壊す前に辞めたほうがよいでしょうねと助言しました。
そして、Eさんは、メンターの先輩の言葉の中で、可能なことは改善する努力を行い、どうでも良いことは受け流すことに成功しました。
現在、Eさんは4年目ですが、エースとして栄養部門のリーダーからだけでなく、他部門からも信頼される管理栄養士に大きく成長しました。
ちなみに、意地悪だったメンターの先輩は、結婚を機会にお辞めになったそうですが、辞めるときに「最初はつらくあたりすぎてゴメンね」と言ってくださったそう。
栄養士・管理栄養士は狭い職場なので、人間関係を良好に保つことが重要になります。
このEさんのケースは、微妙だった人間関係が、最終的に改善してうまくいきました。
でも、一歩間違えばメンタルを壊しかねない時もありましたので、頑張りすぎないよう、追い込みすぎないようにすることが大切です。
私自身はというと、「人の言葉に反応しすぎない」、「自分は自分のままでよいという自己肯定感を高める」ことで人間関係をうまく保てるように努力しています。
④給料が安く、かつ上がらない
残念ながら、医療職になったといえど栄養士・管理栄養士の給料は低いままです。
景気がよい企業でない限り、給料の増加率は高くありません。
昨年から今年にかけて給料は上がりましたか?
基本給を2万円上げるのに、いったい何年かかるのか、予想できますか?
自分がやっている仕事に対して、給料が釣り合っていないと考えるようになったら、転職をして次のステップに進むときかもしれません。
田舎の病院に就職して3年目のGさん、給料は3年で5,000円しか上がっていませんでした。
最初はよかったけれども、報われていないという思いがでてきたとのことでした。
そりゃそうですよね。
いくら、仕事が楽しくてやりがいがあっても給料が安いままでは、いつしか報われないという負の感情が巻き起こります。
新人の時は、「あなたは、そのお給料分の仕事をできていますか?」といわれるとNoですので、給料が安いといっても、まあしょうがないかなと我慢でききていたそうです。
でも、給料に見合う仕事、あるいは給料以上の仕事ができるようになってくると、給料の安さが許容できなくなってしまいますね。
Gさんは、安月給であったことに加え、栄養士・管理栄養士以外の仕事をしてみたいという思いもあり、4年目にIT関係の仕事に転職。
今では、田舎を離れて、都会のオフィスに部屋を借り、仕事も休みの日も楽しく過ごしているとのことです。
今のITの仕事が向いていると思ったら続ければいいし、やっぱり栄養士・管理栄養士が好きだということであれば、その時にはまた戻ればいいかなとGさん。
まったく、そのとおりだと思います。
せっかくお金をかけて栄養のことを学んだから、資格をいかせる仕事にこだわりたいという思いは、サンクコスト(sunk cost)にこだわりすぎなのかもしれません。
人には向き不向きがあります。
栄養の事を勉強しても、数年働いて、自分には向かないと思う人もいることでしょう。
その瞬間を楽しく、自分らしく生きることが大切だと思います。
栄養士・管理栄養士でなく、それ以外の仕事もしみてたいのであれば、それも1つの選択肢だと思います。
⑤スキルアップが見込めない
仕事というのは、変化があるから楽しいのだと思います。
ちょっと難しい案件がでてきて、それに全力投球をし、そしてうまくいったときの達成感。
こんな日々だったら、楽しいだけでなく、自然とスキルアップもしていくことでしょう。
逆に、毎日毎日、退屈な仕事を、印鑑を押すのと同じように働いていると、楽しくもないでしょうし、ましてスキルアップは望めないでしょう。
卒業して5年目のIさん。
1年目は委託給食に就職、2年目に福祉施設の管理栄養士に転職、5年目に病院管理栄養士に転職しました。
絵にかいたようなステップアップですね。
このように環境を変えることは大きな成長とともに、給料をあげるチャンスになります。
ちなみに、Hさんの給料は、転職のたびに、1万円単位で上がったそうです。
今の職場で、学びはありますか?
本当にもう学ぶことが1つもないのであれば、仕事を辞めて転職を考えるステージかもしれません。
今から5年後、あなたは、どのような職場で、どのように働いていたいですか?
環境を変えることが、次へのステップにつながるかもしれません。
まとめ
私が、卒業生からの相談を通じて見聞きした生情報を記述してきみました。
今の仕事を辞めたいと思う理由は、人それぞれですよね。
今回の9つの事例の中で、似たようなパターンがあった場合、ぜひさらによい成果となるよう応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
“【現役教員の生情報】栄養士を辞めたいと思う5つの理由と9つの事例” に対して2件のコメントがあります。